山本弘 MM9

読書の秋ももう終わりとなったようですが,こちらはこれからが本格的なシーズンです(^.^)

MM9MM9
山本 弘

東京創元社 2007-12
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あらすじ

地震,台風などと同じく自然災害の一種として「怪獣災害」が存在する現代。有数の怪獣大国である日本では,怪獣対策のスペシャリスト集団「気象庁特異生物対策部」,略して「気特対」が日夜を問わず日本の防衛に駆け回っていた。

感想

のっけから微妙な違和感を感じさせながら,一切の説明もなくシリアスなお話が進んでいきます。この微妙な違和感ってのが(誰でもすぐに気づくと思うんですが)現実の自然災害を「怪獣」に置き換えてる点からきております。「怪獣6号の襲来」ってのが何の説明もなくさも当たり前に語られていくとこなんぞ,ちょっと慣れるまで間がありました。
ところがところが最終話では,そいつがこっちの世界にいつの間にやら近づいてきて,それどころかしっかりと現実の世界にもリンクできるようになっていたとは・・・驚きの一言です。
内容的にはかなりハードな説明や理論などもぶち込んではありますが,作者お得意の日常の出来事を丹念に描いていくことから,非常に読みやすいものとなっています。ごまかされたような気分になりながら本当にあるのではなんて思ってしまうのはしっかり「トンデモ」してますね。
ところで第3話で登場の「映子さん」,なんとなくもう一度登場の気配を感じていたのですが,ゲスト出演でしたね。最終話ラスボス登場のあたりでは,やっぱり再登場か! っって思ったんですがね。