神林長平 敵は海賊・正義の眼

10年ぶりに新作が出てたのに,ぜんぜん気がついていませんでした。読書関係のブログにも紹介されていたのですがスルーしてました。ハヤカワの新刊案内で気がついたときには唖然としました。

敵は海賊・正義の眼
敵は海賊・正義の眼神林 長平

早川書房 2007-06
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あらすじ

タイタンの首都メカルーク。市警警部と広域宇宙警察の実習生が目撃したのは,八体の惨殺したいと「海賊を始末した」という犯行声明だった。いっぽう海賊課刑事のアプロとラテルは,「海賊に間違われた」という同僚刑事セレスタンの通信を受け,貨客船ハウバウアー号に急行する。それは,海賊課の存在意義を葬り去るべく匋冥が仕掛けた周到なゲームの始まりにすぎなかった。

感想

10年ぶりというブランクをまったく感じることなく,最後まで一気に読んでしまいました。今回はアプロが少しおとなしめですが,その分ラテルとセレスタンがいい味出してます。初期のころに比べてラテルも丸くなりましたね。海賊に対しては問答無用・容赦なし,ってスタンスはまったくぶれてはいないのですが,その他の人たち(市警の警部やリジーなんかに)に対しては積極的に対話を仕掛けているような印象を受けます。
そのほか今回は一般の刑事が準主役みたいな形で,一般人から見た海賊課というスタンスが随所に見られます。これも今までにはあまりなかったのではないでしょうか。少し新しさも感じながら「敵は海賊」何年ぶりかに十分堪能させていただきました。
それにしても,やっぱり匋冥はかっこいいなぁ。