田中芳樹 天竺熱風録

少しご無沙汰していた作家や作品が新しく出たので出そこらへんを思い出しながらということで。

天竺熱風録天竺熱風録
田中 芳樹

祥伝社 2007-02-09
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あらすじ

太宗皇帝の命を受け,文官・王玄策率いる使節団が天竺へ向け出発した。行く手にはそそり立つヒマラヤ!難路悪路を踏破し,目的地マカダ国にたどり着く一行。だがそこには,悪政を敷く新しい王によって支配されていた。簒奪王を倒すべく,王玄策はとらわれていた牢獄を脱獄。しかし頼るべき兵もなく,いかに強大な敵に立ち向かうのか!?

感想

田中芳樹さん,好きな作家の1・2位を争う方なんですが,最近は刊行数も少なく出版されるものもいまひとつかな〜と思っておりました。しかし,久々の中国もので久々の田中節全開というところでしょうか。小気味よい語り口に,史実を基にしたまさに痛快活劇。
しかしさすが大中国,このような活劇の題材になるような人がごろごろと出てきます。この主人公の王玄策など文官でありながら,唐と天竺の間を3往復もしています。それでありながら唐に戻ってからは普通に文官としての一生を全うしています。偉業を誇ることなく,黙々と自らの職責を果たしているようなのです。
中国にはまだまだこのような日本には知られていない人物が多いようです。ぜひ田中氏にはこの中国ものをこの先も書いていって欲しいものです。
あと,中断しているシリーズもぜひお願いします<(_ _)> アルスラーンは再開後第2作,こちらも田中節復活。かなり面白い。今後が期待です。