三雲岳斗 M.G.H. 楽園の鏡像

最近本を読むペースがめっきり落ち,日に数ページくらいしか読み進めません。(ちなみに今はマイケル・スワンウィックの「グリュフォンの卵」に挑戦中。短編集なので後数週間で読了の予定)なかなかにこのブログに新ねたも無いので,本日は本棚から目に付いたものをご紹介。

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あらすじ

日本発の多目的宇宙ステーション内の無重力空間で発見された墜落死体。この不可解な死は果たして事故か事件か。
第1回日本SF新人賞を受賞した本格SFミステリー。

感想

2000年の出版当時,雑誌やWeb上でなどでかなり話題となり興味を持ち,ハードカバーだったので,けっこう気合を入れて買って来た記憶があります。無重力空間での墜落死体といえば,谷甲州の「36000キロの墜死」を思い出しながら読んだのですが,メインプロットは意識してかどうかはわかりませんがほぼ同じだと思います。しかし,この人独特のリズムとテンポに引き込まれ,一気に読み終わってしまいました。まあラストの謎解きの部分は少しあっさりとしている気がしましたが,そこまでの展開がメインで十分楽しめました。この作品が気に入ったので第2作「海底密室」をすぐに探しに行きこいつも一気に読みましたが,こちらのほうがSF的な要素が強く楽しめました。ただ,この路線で進んでくれるのかと期待していたのですが,次の「コールド・ゲヘナ」でライトノベルズにシフトして行き(これはこれでとんでもなく下手くそな挿絵にもめげずハード巨大ロボットものとしてなかなか面白くはありましたが),内容的にももろそっち方面に移っていったので,これ以降の作品にはよう手を出せていません。最近名前を見ないと思っていたのですが,このブログを書くためにAmazonで検索をかけてみるとそっち路線でコンスタントに出版はされてるみたいですね。できればまた,ハードなSFミステリを読ませてもらいたいものです。