小川一水 ファイナルシーカー

ファイナルシーカー レスキューウイングス
メーカー:メディアファクトリー
価格:¥ 609
by AffiliSearch

あらすじ

高巣英治は、同級生と乗ったボートが海に流され遭難してしまう。台風の接近で死の淵に立たされた英治を救ってくれたのは、〈最後の切り札〉として出動するレスキューの最高峰、航空自衛隊救難飛行隊だった。この体験で、英治はやがて救難飛行隊に入り、いち早く遭難者を発見することから『千里眼』の異名をとる救難員に成長する。だがその能力は英治が遭難したあの現場で身についた不思議な力だった。そして、厳冬の穂高岳で遭難事故が発生、吹雪のなか英治たちは出動する!

感想

最近流行のレスキュー物です。しかしそこは小川一水,ハードな内容で息をもつかせず読ませていきます。悪霊に取り付かれ自分の能力に疑問を感じながらも,せきたてられるように救助作業に取り組む主人公。最初は霊ということでちょっと???なものを感じますが,物語に引き込まれるにつれ重要な設定のひとつとして受け入れることができます。この作者にしては珍しく現代の地球を舞台にしてSF的な要素は薄いですが,表情豊かな登場人物の面々やこれでもかと続くスリリングな展開で,表紙などから感じる軽い印象とは裏腹に,ハードな作品になっているのではないでしょうか。帯にあるようにレスキュー小説の最高傑作との言葉は伊達ではないようです。ぜひ続編を期待したいところです。