梶尾真治 ヤミナベ・ポリスのミイラ男

ヤミナベ・ポリスのミイラ男
梶尾 真治
光文社 (2006/02/09)

あらすじ

ヤミナベ・ポリスと呼ばれる宇宙文化のごった煮,惑星ズヴゥフルのかたすみで未来を夢見てアルバイトを続ける青年カズヒコ。ある日彼は超人たちのパーティで起こったテロに巻き込まれてしまう。奇跡的に脳だけが生き残り,天才科学者の手でばらばらになった48人の超人のパーツがツギハギになり最強ヒーロー「怪傑ミイラ男」として生まれ変わったのであった。

感想

題名だけは聞いていたカジシンさんの幻の名作が復刻されました。それも話によるとイラストも当時のままの横山えいじさん。こんな本が出てたなんて全く知らなかったですが,暇つぶしに入った本屋で偶然見つけ即効お買い上げ。そのままその日のうちに読み上げました。
私なんぞはスラップスティックな路線からカジシンさんにはまった口ですから,うれしくてしょうがないですが,最近の路線で梶尾真治さんを知った人はとんでもなく面食らうでしょうね。とくに光文社はもう1冊出しているのは心に沁みる長編ファンタジー「未来のおもいで」。2冊目にこれをもってきた光文社の英断はえらい!
黄泉がえり」や「クロノス・ジョウンターの伝説」などリリカル(ちなみにカジシンさんの作品の解説ではじめて知った言葉)で,独特の透明感を持った泣ける作品ももちろんよいですが,この作品のような力一杯無茶苦茶で,力の抜ける短編も新作を読んでみたいですねぇ。まあ,この人のことだから一気にイメージを一変させるようなものを書いてくれそうな期待もあるんですが。