田中芳樹 魔軍襲来

魔軍襲来 ―アルスラーン戦記(11)
田中 芳樹
光文社 (2005/09/22)
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あらすじ

中世ペルシアによく似た異世界の英雄物語――。
蛇王の眷属、有翼猿鬼、鳥面人妖がパルスに現れる! 国王アルスラーン統治下の王国には、闇が忍び込もうとしていた。ミスル国で客将軍クシャーフルと名乗り雌伏するヒルメスは、ミスル国王に献上される美しき孔雀姫・フィトナと運命的な出会いを! ヒルメスを野望に誘う彼女の腕には謎の銀の腕輪が……。魔の山デマヴァントに閉じこめられたクバードらの危機ははたして!?(裏表紙より)

感想

約6年ぶりの続編です。よもや出版されるとは期待してなかったので予想外の喜びです。出版社が変わって再販がされていたので,少しは期待してたんですが本当に出るとは・・・ 作者は特にこの系統のものは最近はまったく書いていなかったので。それにしても調べてみると第1巻が出たのが1986年。ほぼ20年前のことです。なんとも息の長いシリーズですねぇ。
6年ぶりってことで読むのがつらいだろな〜,と思いながら読み始めましたが,結構覚えているもんですね。全然違和感なく物語に入っていくことができました。アルスラーン戦記はけっこう好きで何回も読み込んでいただけはありますね。登場人物もかなり多くて*1どうだろうと思ってたんですが,出てくれば思い出すもんです。まあ今回は久しぶりということで,それぞれが今何をしているかのまとめ的な展開も感じられたのもあるでしょうが。この後本格的な展開を期待です。無事に国を取り戻し,今度は化け物退治。とはいっても田中芳樹さんのこと,ねちねちと陰謀が進んだりいろんなところでいろんな人物劇が繰り広げられることでしょう。ヒロイックファンタジーなのに派手なチャンバラだけに終わらないのがやっぱり魅力ですよねぇ。それと何といってものーてんきな登場人物の活躍。これがこのシリーズでは一段と引き立つので今から楽しみです。ただ次はまた5年後とかいうんじゃないでしょうね(^^ゞ
あと,これを機会に中断しているシリーズ*2次々の復活を祈りたいです。

*1:アルスラーンの16翼将といってメインの武将だけでも16人。その他もろもろで30人が挙げられています。最初のころの作品はやたらと重要な人物が登場します。

*2:タイタニア,灼熱の竜騎兵,七都市物語,自転地球儀,創竜伝(これは中断ではないか?)などなど