坂本康宏 シン・マシン SIN・MACHINE

シン・マシン
シン・マシン
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坂本 康宏
早川書房 (2004/06/24)
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あらすじ

脳の一部が機械になってしまう奇病,機械化汚染症候群(MPS)は社会を一変させた。機械化した部分を使ったMPSランニングと呼ばれる機能が,意思の伝達や金銭の授受など,罹患者相互におけるあらゆる情報の制御を器具を使うことなく実現し,究極の情報化社会が訪れたのだ。

感想

ダブルオーの作者が描く近未来SF。前作とは全く雰囲気の違った作品となってます。読み進めるうちにどんどんと引き込まれ,一気に読み終えてしまいました。プロローグの部分がどこにつながる?と,最初は気になりながらいつの間にか主人公の持つ謎とアクションに引き込まれていきます。が,最後は「グッ」っと胸に迫るものがあり久々に読み応えのある作品でした。絶対の「愛」を感じました。前作と違い好き嫌いがはっきり出そうな作品ですが,ぜひお薦めです。早川書房の「J-Collection」のシリーズはちょっと変わった作品が多いですが,はずれの少ない選集に今のところなってます。本格SFからスラップスティックまで,SFに触ってみたい人もどっぷり使っている人も一度は手にとって欲しいシリーズかな。