山田正紀 神狩り

あらすじ

工事現場で見つかった弥生時代の石室には,謎の<古代文字>が刻まれていた。情報工学の若き天才島津圭助はその解明に乗り出した。が,古代文字は人間にはとうてい理解不能な構造を持つことが判明する。やがて圭助は,人類の未来を賭けた壮絶な戦いの渦に巻き込まれていく。

感想

27年前の作品です。今では大御所山田正紀さんのデビュー作品だそうです。山田正紀さんの作品は結構好きで,SFマガジンの連載や単行本などはちょくちょく読んでいましたが,この作品は時機を逸したというか,手を出せないまま今まで過ぎてきていました。
それがこの作品の続編が出るということで再販されたのを機に読んでみることにしました。とても30年近く前の作品とは思えませんね。ぐいぐいと引き込まれて一気に読み終えてしまいました。近年は重厚な推理小説やSF以外の分野でも活躍されている作者ですが,その原点がやはりSFにあるということを実感させられました。
いってしまえばストーリィなど無いにも等しく,ただ闇雲に強大なそれでいて全く正体のわからないものに本能の赴くまま立ち向かっていくという,ただそれだけなんですが,ものすごい情熱のほとばしりを感じました。結末の出ていないこの作品,続編が出ているので早速明日にでも探しに行ってみようかなあ。でも30年も間が空いてどうなっているのでしょうか。

神狩り
神狩り
posted with amazlet at 05.06.29
山田 正紀
早川書房 (2000/00)
売り上げランキング: 2,685
おすすめ度の平均: 4.67
5 「神」とは?
5 日本のSF小説界に名を残す大傑作
4 そう言う意味なんだ。