谷甲州 覇者の戦塵1943 電子兵器奪取

覇者の戦塵1943 電子兵器奪取

あらすじ

米軍の新型高角砲の脅威を痛感した日本軍は、対艦遠距離攻撃用噴進爆弾〈丸大兵器〉の開発を急ぐ一方、敵新兵器を入手すべく、最前線の東部ニューギニアで強襲作戦を発動する!!

感想

谷甲州大好きです。20年ほど前に旅行先の本屋でたまたま手に取った航空宇宙軍史がきっかけでした。「日本人の作家でこんなSFを書く人がいるんだ〜」というのが正直な感想でした。
で,覇者の戦塵ですがこれも最初の本が出たのは1991年2月です。その後出版社が変わったり,最初の頃のものは合本で再販されたりしながら今日まで続いています。
ちょうど架空戦記物が一気にブームになり始めた頃で,とんでもないものが多い中「谷甲州大丈夫か?」などと思いましたが,全くの杞憂でした。甲州さんはやはり甲州さんでした。この人にはやりものなどかけるはずもなく,「渋い」の一言でした。
そこで最新刊ですが,最近のこのシリーズには珍しく1冊で完結してます。ひさびさに技術者たちが前面に出た物語です。谷甲州の真骨頂ともいえる「技術屋」が活躍(?)します。派手さはないですが,なんかかっこいいんですよ,これが。技術者の目を通して太平洋戦争を再構築するという壮大なテーマがこの1冊でますます興味深くなってきました。
でもたまには蓮美大*1のとんでもない活躍も見たいような・・・


覇者の戦塵1943 - 電子兵器奪取
甲州
中央公論新社 (2005/05/25)
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*1:海兵隊の司令。行き当たりばったりか何なのか天才的な用兵を見せる。