冲方丁 カオスレギオン
カオスレギオン 聖戦魔軍篇
あらすじ
天界と堕界を分かつ広東の大地,アルカーナ大陸。その地で赤髪の黒印騎士ジークはある男を追っていた。名をドラクロワ。かつて理想を掲げ合い,共に戦った友。だが,今は倒すべき相手。二人の間にいったい何が?その決着とは。
感想
私見くびってました。正統派ファンタジーは久しぶりだったんですが,まあ暇つぶしくらいにはなるかなって感じで読み始めたシリーズでした。日本人作家のファンタジーは最近は軽いだけのものがはびこってるように感じてたんで,これもそのひとつだろうと。
ただ,作者が「マルドック・スクランブル」ってすっごいSFを書いた人だったんで,まあ読んでみようかくらいでした。ところがところが。一本芯の通ったストーリー。そして何よりもとてもシリアスでハードな主題。とても軽く読み飛ばせる事の出来るようなものではありませんでした。確かにライトファンタジーの皮はかぶってますが,とんでもなくハードなキャラクターに内容,そのストーリィ展開に完璧にはまってしまいました。この1冊で物語は完結していますが,まだまだ読み続けたいと思わせる1冊でした。そのように感じる人が多いのか,シリーズ化されています。この物語をクライマックスとする一台叙情詩となってきているようです。
- 作者: 冲方丁,結賀さとる
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2003/02
- メディア: 文庫
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カオスレギオン0 招魔六陣篇
あらすじ
少女は待ち焦がれていた。閉ざされた視界の向こう側に祈りの歌をささげながら。自分の目を開かせてくれるかもしれない,最後の希望が訪れる事を。無垢な魂と孤独な騎士が出会う時,二人の運命は激しく動き始める。
感想
この物語のプロローグに当たる短編集です。第1巻「カオス レギオン」がクライマックスを描き,この「カオス レギオン0」からそこへとつながる長い物語が始まります。第1巻とは少し雰囲気が違うのは雑誌連載の短編だからかな? 外伝的な感じでノヴィアとジークの出会いを楽しめます。シリーズ全体のシリアスな雰囲気を残しながらもあっさりと読めるので,この巻から入るのもすんなりと入れてよいのでは。
- 作者: 冲方丁,結賀さとる
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2003/03
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カオスレギオン01 聖双去来篇
あらすじ
一度も会った事のない相手だった。だが,奇妙な事に懐かしさを感じていた。まるで過去の自分と再会したような。彼は生まれつき,足が不自由だった。それでも,何度も立ち上がろうとしていた。世界を自分の手にするために。
感想
このシリーズを通しての主要人物が新たに登場します。最初はどのような役割を果たす人物なのかよくわからなかったのですが,読み進めていくうちに予想と全く違う役割を与えられて登場した事に気づきます。このようなキャラクター造形が作者の特徴であり,私が惹かれる一因のようです。結構登場人物にはシビアな先行きが待っているんですが,最初は・・・なんですが,読むうちにぐいぐいと引き込まれていってしまいます。レオニス君もその一人です。また,主人公の一人であるノヴィアが直面する試練と,それを見守るジークの過去の物語も収録されています。掌編ですが長編とはまた違ったきらりと光る物語でした。
カオス レギオン01 聖双去来篇 (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 冲方丁,結賀さとる
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2003/07/01
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カオス レギオン01 聖双去来篇 (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 冲方丁,結賀さとる
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カオスレギオン02 魔天行進篇
あらすじ
どこまでも荒れ果てた大地が広がっていた。大地は人々が踏み締める足音で,いつまでも揺れていた。二万人の民衆たちが荒野を進んでいた。永遠に消え去った故郷を胸に。新たなる新天地へ向かって。
感想
こんなページを作ろうと思ったきっかけがこの本でした。とにかく,この分厚い1冊(本文だけで382pある)がほとんど寄り道することなく,民衆の行進だけを描いている筆力にまず圧倒され,さまざまな魅力的な登場人物に引き込まれ,主人公たちの思いに感銘し,ともに喜び,ともに悲しみ,読み終わるのが残念なほど没頭してしまいました。特にラストシーンでの民衆たちの行進はただただ圧倒されるばかりで,変な言い方ですが本を読んでいるという事を忘れてしまいそうなほどでした。ファンタジーはちょっと思ってる人も騙されたと思ってぜひ手にとって見てください。
カオス レギオン02 魔天行進篇 (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 冲方丁,結賀さとる
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2003/12
- メディア: 文庫
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カオス レギオン02 魔天行進篇 (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 冲方丁,結賀さとる
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2003/12
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