冲方丁 カオスレギオン その2
カオスレギオン03 夢幻彷徨篇
あらすじ
忘却の果てに掴むものとは!? 霧深い古城。赤き騎士ジークは一人目覚める。だが、自分の目的も記憶も無くしていた! 一方、同じように記憶を失ったノヴィア。果たして、二人の行方は!?
感想
今までのとは少し雰囲気が変わって,ジークの側からストーリィが進行していきます。最初は戸惑いを感じましたが,やはりいつもと同じでどんどんと引き込まれていくのでありました。
この人のストーリィはとりあえず,途中でやめるのが結構難しくどうしても一気に読んでしまいます。そのうえ,なかなかなページ数があるので睡眠時間が削られていくという,辛い状態になってしまいます。
カオスレギオン04 天路哀憧篇
あらすじ
あの頃の私たちは喧嘩ばかりだった。今ならその理由がわかる。キリが私にないものをたくさん持っていたからだ。自由で、強くて、誰とでも仲良くなれて。本当はキリと一緒に行ってみたかった。ジーク様が言っていた「全てが終わり、全てが始まる場所」―そう、海へ…。
感想
ノヴィアの青春物語です。01から登場のレオニス君がますます存在感を増し,どんな結末へ向かっているのかちょっと想像しにくくなってきました。この展開にどのように区切りをつけ,「カオスレギオン」へとつながっていくのかが楽しみです。ただ,雑誌連載の長編ということで,最初の長編ほどのハードさと畳み掛けるような展開が欠けるように思われるのがちょっと残念なような気もします。
カオスレギオン05 聖魔飛翔篇
感想
このシリーズもついに最終巻となりました。前のも書きましたが,ここから最初の「カオスレギオン」へとつながっていきます。この間は書き下ろしだけあって久々に畳み掛けるような展開が帰ってきています。内容も非常にシビアでハードです。これもまたかなり分厚い本なのですが,またもや一気に読んでしまいました。どこに行くのか見当のつきにくかった,あのレオニス君が中心的な役割を与えられ(これがまた予想外で),何と言うか王道ファンタジーという印象を受けました。第1巻に戻ったような語り口調が一段と作品を引き立て,違和感無く第1巻につながっていくようです。円環の物語という言葉が読み終わった後,とても印象的に聞こえました。この流れでまた最初から読んでみるのでしょうね。しかしその時はいつになったら読み終わるのだろうか・・・