林譲治 記憶汚染

5月というのに暑い日が続きます。昼間の暑さにへばって夜はなかなか起きていられませんが,なんとか読み進めております。

記憶汚染 (ハヤカワ文庫JA)記憶汚染 (ハヤカワ文庫JA)
林 譲治

早川書房 2003-10
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あらすじ

破滅的な原発テロの教訓から、携帯情報端末による厳格な個人認証が課された近未来日本社会。土建会社社長の北畑は、奈良の弥生遺跡から謎の文字板を発見するが、なぜかそれは200年前のものと推定された。いっぽう痴呆症研究に従事する認知心理学者・秋山霧子は、人工知能の奇妙な挙動に困惑していた。2つの事象が交わったとき、人類の営為そのものを覆す驚愕の真実が明らかになる―それは新たなる破滅か、それとも。

感想

林譲治氏です。いつもの通り面白いんですが,なんかそれだけです。最初は遺跡調査と人工知能の研究というまったく異なった二つのアプローチから,謎が謎を呼ぶ展開でかなり興味深く読み進めました。しかし,これらの事件が交わっていくあたりからちょっぴりクエスチョンマークが・・。最後の種明かしのあたりはおいおいって突っ込みたくなるような展開で,むりやりに終わらせた感がありあり。物語のプロットやアイディアなどはかなり興味深いのですが,なんか物語の描写が平面的ってのも影響しているのでしょうか。一昔前の情景描写がメインの海外SFのようなテイストですね。