田中芳樹 水妖日にご用心〜薬師寺涼子の怪奇事件簿

最近田中氏の著作に触れることのできる数少ないシリーズ,前作のこともありちょっぴし不安になりながら読み始めてみました。

水妖日にご用心 (ノン・ノベル 840 薬師寺涼子の怪奇事件簿)水妖日にご用心 (ノン・ノベル 840 薬師寺涼子の怪奇事件簿)
田中 芳樹

祥伝社 2007-12
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あらすじ

南アジア某国の王子様が来日した。ハンサムでスポーツマン,資産はじつに三兆ドル! 日本中の女性が大騒ぎする中,巨大テーマパークの貸し切り権を王子に譲った薬師寺涼子警視。そこで惨劇は起こった。人気キャラクター半漁姫に扮した美女に王子様が襲われたのだ。テロリストの動機は王位をめぐる暗闘か,膨大な地下資源にからむ争いか,それとも復讐か。雷鳴とどろき,豪雨が東京を水没させる中,警視庁の破壊美神・涼子が暗殺者を追う!

感想

この作者にしては刊行ペースの速い怪奇事件簿シリーズです。なんというか,まあ今回は気楽に楽しんで読むことができました。お涼さんが心置きなく大活躍。泉田さんも振り回されながらも,そこそこ活躍。しっかりお涼さんを助けてます。事件に関しても二転三転,十分楽しませてもらいました。難を言えばクライマックスシーンがあまりにもあっけなかったてことでしょうか。もう少しお涼様や泉田さんの活劇があると期待していたのですが,あの二人が出てきてあっさり退治してしまうとちょっと拍子抜け。あまりにもできすぎだろうって感じがしました。間抜けな政治家のパロディはいつも楽しんで読んでますが,その部分にページをここまで割くのならもっとクライマックスシーン盛り上げてほしかったなぁ。