赤城毅 書物狩人

書物狩人書物狩人
赤城 毅

講談社 2007-04-06
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あらすじ

世に出れば,国を,政治を,歴史を揺るがしかねない秘密をはらんだ本を。合法非合法を問わず,あらゆる手段を用いて入手する,その存在は謎に包まれ,彼らの活動が表に出たことは一度もない − 書物狩人。
バチカンから獲得を依頼されたギリシア語写本やナポレオンの旧蔵書・・・書物狩人が鮮やかに稀覯本に隠された物語を紐解く。

感想

こいつは驚きました。赤城氏の本にしては渋い装丁だなとは思いましたが内容もこれほどとは。ともかく今までの路線とはまったく違います。失礼な言い方をすればこの人はこんな本もかけるんだ! という驚きを感じました。前編を抑えた筆致で描き,シリアスなストーリィが進んでいきます。派手なアクションも強力なボスキャラも出てはきませんが,綿密な設定と大きな謎でぐいぐいと読まされていきます。
この作者の痛快活劇もよいですが,このような内容のものが書けるのであればもっともっと発表してもらいものです。