山本弘 まだ見ぬ冬の悲しみも

先日出張の後出先でなんとなく本屋に入ったら,この本を見つけました。以前から探してたのですが見つからず,あきらめてamazonで注文しようかと思ってたとこでした。早速購入。前述「グリュフォンの卵」 <id:obake00:20060630> を読みながらもこちらも読み進めてたりしてました。

まだ見ぬ冬の悲しみも
発行元:早川書房
価格:¥ 1,785
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あらすじ

時間・宇宙・言語・超人テーマなど,SFならではのアイディアを駆使した科学と奇想と語りの饗宴。

感想

さすが「と学会」会長,SFオタク満載の短編集です。とはいえ,日本SFの王道を行くようなシリアスでストレートな作品ばかりです。この作者の本格SFは短編を一本(この本に収録されてる「シュレディンガーのチョコパフェ」)だけで,あとは昔のジュブナイル作品しか読んでなかったので,期待と不安でページをめくりました。いや〜不安は余計な心配でした。これはいい。何がいいって,メインプロットはあとがきにも作者が書いていましたが,思いっきり大バカなメインテーマをこれでもかってまじめに論じてるとこですね。加速装置にバイオシップ,人を操ることのできる音声表現。挙げていけばきりが無いですが,こういう話は大好きです。まじめなほら話ってとこですか。なかでも「メデューサの呪文」は一押し!