梶尾真治 クロノス・ジョウンターの伝説

あらすじ

もしも過去に跳べることができたら、今は亡き、愛する人を救いにいける。すでに滅びた物を目の当たりにできる。それだけでなく、過去の世界で、新たな恋に落ちるかもしれない。ついに「クロノス・ジョウンター」という機械が開発され、誰もが夢見るそれが現実となったとき、そこにさまざまな物語が生まれた。

感想

この本は連作集なのですが,私が知っている限りで3冊出ています。最初は中編が2話だったのですが,次で中編が1話加わり,その次は短編が1話加わりました。で,悩んだ結果2冊買ってしまいました。といっても,新しい方は友人に「絶対いいから読んで!」とあげてしまいましたが(全部読んでくれたのかなぁ?)。でもやっぱ読みたくなってきたのでもう1冊買おうかと思案中の本です。この作者はちょっと前に映画化された「黄泉がえり」の原作者なんで少しは名前が売れたみたいですが,SF界では大御所であり,やはりこの人の本質は短編ではないかと思います(長編にも「サラマンダー殲滅」というとんでもない名作があるのですが)。特にこの本のような「愛」と「時間」をテーマにしたものは他の追随を許さないって感じですかね。最初の「吹原和彦の軌跡」を初めて読んだ時には震えが来ました。自らのすべてをかけて愛する人を救いたい。そのためたとえ二度とその人に会えなくなろうとも。こんな思いで,人を愛したいと強く思いました。そして,今愛している人にこんな気持ちを持ち続けていけたらと思いました。現在恋愛進行形の方,この本を読んでお互いの愛を確認してみてはいかがですか?*1

クロノス・ジョウンターの伝説
梶尾 真治
朝日ソノラマ (2003/06)
売り上げランキング: 16,880

*1:このレビューは今年の3月頃に書いたのですが,今amazonのページを確認してびっくり! 映画化されるようですね。2005年秋公開だそうです。どんなものになるのでしょうか。見てはないのですが黄泉がえりは・・・だったようですが。また劇団キャラメルボックスの2005年クリスマス・ツアーの原作にもなってるようです。カジシンさんもメジャーになりましたねえ。