ブルース・スターリング 塵クジラの海

塵クジラの海

あらすじ

はるか未来、地球のヴェネツィア出身を名乗る主人公ジョン・ニューハウスは、細かな塵に覆われた惑星、水無星(みなほし)に棲む塵クジラから採れる麻薬〈フレア〉を探す旅に出る。コックとして塵クジラ捕り漁船に乗りこんだジョンは、同船していた蝙蝠状の翼を持った異星人女性ダルーサと知りあう。船で生活をともにするうちに、惹かれあっていくふたりだったが、ダルーサには人類に対する猛烈なアレルギーがあるため、ふたりは深い関係に進めない。塵海の探査を続けるジョンらは、やがて、かつてこの惑星を支配した種族の末裔の痕跡を発見する。彼らはその謎を解明すべく、船長の造った潜塵艦(せんじんかん)で海底へ探険に乗り出すが……。

感想

何といってもサーバーパンクの大御所です。この作品はスターリングがブレイクする前の初期の作品らしいのですが,この人特有のドライブ感って言うんですか,充分楽しめます。
確かになんかまだ優しい感じがして,スキズマトリックスなどのような尖ったところはあまり無いですが,それでも設定や物語の展開など随所にらしさが見られます。この物語がなぜFT文庫(ファンタジー)に分類されてるのか不思議です。バリバリのSFだと思うんですが。
スターリングやギブソンはとても好きなんですが,ちょっと読むのに気持ちの余裕や根性が必要で最近読んでなかったのですが,この本はあっさりと読めて,そのうえスターリングらしさが充分楽しめました。

塵クジラの海
塵クジラの海
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ブルース スターリング Bruce Sterling 小川 隆
早川書房 (2004/01)
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